ランドセルの素材と言えば、昔は牛革が主流でした。今ではクラリーノのランドセルが圧倒的に多いですが、牛革のランドセルもまだまだ根強い人気があります。牛革の弱点である耐水性の低さや重さは改良されつつあり、最近の牛革のランドセルは思っているほどお手入れは面倒ではないんですよ♪
この記事では、牛革ランドセルのお手入れ方法について解説します。
牛革とはどんな素材?
革には様々な種類がありますが、天然皮革の中でスタンダードなのが牛革です。ランドセル以外にもさまざまなものに使用されているため、どの家庭にも牛革を使ったものが1つはあるのではないでしょうか。
牛革は一般的に、牛の背中から脇までの皮を使用しています。牛の成長段階によってさらに細かく仔牛(カーフ)・中牛(キップ)・成牛(ステア)に分類されますが、ランドセルに使用される牛革は、生後3~6ヶ月に去勢した2歳の雄牛の皮(ステア)が多いです。
牛革の特徴
牛革はランドセル以外にも財布やベルト、鞄などに使用されており、その手触りや感触、風合いや品格は大人でもうっとりするほど。使えば使い込むほど味わいが増していく、長い間愛される素敵な素材です。
しかし、ランドセルの素材として牛革を使うにはメリット・デメリットがあります。
メリット | デメリット |
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強度が強いのが牛革の良さではありますが、どれだけ軽量化してもクラリーノには勝てず、1300g~1600g(クラリーノは1000g~1300g)ほどの重量があります。とはいっても、教科書1冊分ほどの差なので、中学年や高学年になるとさほど気になる重さではありません。
牛革ランドセルのお手入れ方法
「クラリーノはとにかくお手入れが楽!」と言われますが、牛革も頻回にオイルを塗ったりというような面倒なお手入れは必要ありません。
ただ、クラリーノよりも耐水性に劣るという性質があるので、そこは注意する必要があります。ただし、牛革の中でヌメ革やダブルバットレザーは別なので注意してください。
雨で濡れてしまったときはどうすればいい?
雨で濡れたときは乾いた布でしっかり水分を拭き取れば問題ありません。牛革が水に弱いのは事実ですが、ランドセルには防水・撥水加工が施されているため、少し濡れたくらいで過敏になる必要はないでしょう。
濡れたまま放置しておくと内側までしみ込み傷んだり、革が硬くなることでひび割れの原因となります。濡れたら早めに拭き取り、拭いた後は直射日光は避け、風通しの良い場所でゆっくり乾燥させましょう。
ヌメ革やダブルバットレザーは要注意!
ヌメ革やダブルバットレザーは濡れるとシミや水ぶくれになり、革が傷んでしまいます。ちょっとの雨でも傷む可能性があるので、小雨でもレインカバーをつけ、定期的に防水スプレーをしておきましょう。
防水スプレーはヌメ革は月に2~3回、ダブルバットレザーは月に1~2回が目安です。(梅雨の時期はどちらも週に1回)傷があるとそこから水が入りやすくなってしまうため、傷ついている箇所はしっかりと防水スプレーをしておきましょう。
汚れを落とす時は皮革用クリーナーを使おう
軽い汚れであれば、硬く絞った布で水拭きします。
水拭きでは落ちない汚れは、皮革用クリーナーを使います。クリーナーを乾いた布や柔らかいブラシに少量取り、軽くこすりながら汚れを落としましょう。クリーナーで汚れを落とした後、布か化学雑巾に少量のワックスをつけて全体をよく磨けばさらに効果的です。最後に、吸湿性のよい布でしっかりと空拭きしてください。
特に落ちにくい汚れが、日焼け止めや虫よけスプレーです。夏になると使用する機会が多いかと思いますが、ランドセルを背負っての使用は避けましょう。
ランドセルには撥水加工や対傷加工が施されています。無理にこすると加工が剥がれてしまう可能性があるので、強くこすったり、洗剤を使ったりするのは避けましょう。
ひび割れを直したい
革製品は乾燥すると、ひび割れを起こします。また、ランドセルカバーを長期間つけたままにして置くと、カバーとランドセルの間に湿気がたまり、ひび割れや変形の原因となります。
ひび割れを直すには、乾いた布でしっかりと拭いたあと、保革油を少量含ませた布で拭きます。革が硬くなってしまったときも保革油を塗り込むことで、徐々に柔らかくなってきます。ただし、塗りすぎると柔らかくなりすぎるので注意しましょう。
ヌメ革やダブルバットレザーは1~2ヶ月に1回保湿ケアを!
ヌメ革は乾燥しやすく、表面がカサカサしだしたら乾燥しているサインです。皮革用オイルで1~2ヶ月に1回、乾いた布でオイルを塗りケアしましょう。かぶせ以外にも、前ポケットや肩ベルトも乾燥しやすい部位です。