コードバンのランドセルは手入れが面倒だと思われがちですが、現代の加工技術によって特別なお手入れが必要ない素材へと進化しています。コードバンのランドセルを狙っているが、メンテナンスの手間を考えると購入に踏み切れない…という方も多いはず。
この記事では、最新コードバンのお手入れ方法について説明します。
この記事の目次
コードバンってどんな素材?
コードバンは農耕用馬のお尻にある、わずか2㎜の「コードバン層」でしか採れない皮革です。その名称は、
- 革の宝石(ダイヤモンドレザー)
- 革の王様(キングオブレーザー)
とも揶揄される高級品で、1頭の馬ではランドセルのかぶせ2枚分しか採れません。
今は農耕馬の繁殖・飼育量が減少しているので、希少価値の高い素材となっています。そのため価格は上昇傾向にあり、コードバンのランドセルは10万円前後と非常に高価です。
コードバンの特徴
コードバンはとても頑丈な革で、牛革より3倍の強度があるとされています。
毛穴のない滑らかな質感や、使用することで増していくツヤ感は、一目見ればコードバンと分かる美しい革なので、6年間どころか10年は愛用できる代物です。
高級品のコードバンですが、ランドセルに使用するにはデメリットもあります。
メリット | デメリット |
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コードバンのランドセルは1,300g~1,500gなので、クラリーノに比べ、200~300gほど重くなります。しかしその差は教科書1冊分なので、それほど神経質になる必要はありません。
馬革は水に弱いとされていますが、ランドセルに使用されるコードバンは撥水・防水加工が施されているので、定期的なメンテナンスを行えば問題ないでしょう。
コードバンのお手入れ&メンテンナンス方法
コードバンはお手入れが大変だと思われがちですが、そこまで大変なことはありません。ただし、人工皮革(クラリーノ)とはお手入れ方法が異なるので、まずは正しい知識を把握しておきましょう。
コードバンが雨で濡れてしまったときの対処法
雨で濡れたときは、乾いた布でしっかりと拭き取ります。表面だけではなく、両サイドの隙間もしっかり拭いてください。拭いた後は直射日光を避け、風通しのよい場所で乾かします。
- 濡れたまま放っておく
- 早く乾かそうと日光やドライヤーをあてたる
これらの方法で乾かすと、ヒビ割れ・色落ち・変形の原因になるので注意してください。
コードバンの汚れを落とす専用クリーナー
軽い汚れがついた場合は、硬く絞った布で水拭きし、乾いたタオルで水分を拭き取ります。いくら撥水・防水加工がしてあるとは言え、水に弱い性質を持っているので水気はしっかり拭き取ってください。
水拭きでは落ちない汚れには「皮革用クリーナー」を使用します。
クリーナーは染料が入っていないものを選ぼう!
染料が入っているタイプは変色してしまう恐れがあります。靴用クリーナーは染料が入っているタイプが多いため、カバン用や財布用のクリーナーが安心です。市販のクリーナーがランドセルに使えるのかが心配な場合は、土屋鞄の「ランドセル用クリーナー」を購入しましょう。
キレイな布にクリーナーを数滴つけ、汚れを叩きながら拭き取ります。
この時に強くこすると色が落ちる&汚れが広がる可能性があるため、軽くポンポンと叩いて汚れを浮かすのがポイントです。浮き上がった汚れを布(クリーナーがついていない部分)で吸い取り、仕上げに柔らかい布で残ったクリーナーを拭き取れば完了です。
ちなみに、クラリーノだと中性洗剤を使えますが、コードバンには一切使えないので注意してください。
コードバンのヒビ割れを直したい
革製品を乾燥させた状態で放置すると、ヒビ割れを起こしやすくなります。
ヒビ割れが気になる場合は、乾いた布で表面の汚れを取った後に、保革油を少量含ませた布で軽くなじませます。保革油を塗り込むことで徐々に革が柔らかくなり、ヒビ割れが目立たなくなります。ただし、塗りすぎると革が柔らかくなりすぎてしまうので注意してください。
コードバンは乾燥だけではなく「湿気」も天敵
乾燥させない為にランドセルカバーをつけっぱなしにしておくと、湿気がたまり、カビや変形の原因となります。コードバンのランドセルは、丁度よい気温(28℃前後)と湿度(55%前後)の置き場所で保管してください。
コードバンランドセルのお手入れの注意点
クリーナーや保革油を使用する際は、使用する部分の素材をしっかり確認するように注意してください。
コードバンのランドセルは「ランドセル全体にコードバンが使用されたもの」「かぶせのみコードバンのもの」など、素材の使用範囲はモデルによってさまざまです。
最後に…。
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