クラリーノ(人工皮革)は丈夫・軽い・水に強い素材で、全ランドセルの7割以上がこの素材で作られています。本革素材より簡単に扱えると言われていますが、間違った方法でお手入れすると劣化やヒビ割れの原因になるので注意してください。
この記事では、ランドセルを6年間キレイに使うために「クラリーノ素材の特徴」と「クラリーノランドセルのお手入れ方法」をご紹介します。
この記事の目次
クラリーノの素材の特徴
クラリーノは1964年に株式会社クラレが開発した、動物の皮を模した人工皮革です。
コーポレートサイトによると、クラシック音楽が大好きな当時の社長(大原 總一郎氏)が「勇壮な前進を夢みるため、ファンファーレのように鳴り響いてほしい」という思いから、古いトランペットを由来とする「クラリーノ」という名前をつけたと明記されています。
一昔前までランドセルは本革で作られていましたが、今は「本革より安価」「本革より軽い」「本革より水に強い」といった理由から、クラリーノで作られるのが主流になりました。
メリット | デメリット |
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しかし人工的に作られた素材なので、本革のように使い込むほど味わいが増すのではなく、使えば使うほどヒビ割・塗装剥げ・小傷などが目立ってしまうのが難点です。
今は加工技術も進み、それほど神経質になる必要はありませんが、キレイな状態を保つには定期的なお手入れが必要となります。
クラリーノのお手入れ&メンテナンス方法
クラリーノは劣化に強い素材ですが、誤ったメンテナンスをしてしまうと目にみえてボロボロになります。6年間キレイに使うためにも、正しいメンテナンス方法を把握しておきましょう。
ランドセルが雨に濡れたときはどうすればいい?
クラリーノは「ウレタン樹脂」という、耐水性に優れた素材でできています。
雨や汗で濡れてしまった場合は、乾いた布で水気を拭き取り、風通しのよい場所で乾燥させましょう。そこで直射日光やドライヤーを当ててしまうと、ランドセルが変形する可能性があるので注意してください。
クラリーノの表面は水に強いが、内部は別
クラリーノの表面は耐水性がありますが、素材の側面・縫い糸・縫い穴から水気が侵入すると、あっという間に劣化します。
ランドセルが水に濡れた場合は、そのまま放置せず早めに拭き取っておきましょう。
ちなみに「カバンのフジタ」では、雪や雨に特化したランドセルを販売しています。水濡れのメンテナンスが気になる方は、最初から防水・耐雪に特化したランドセルを選ぶのも良いでしょう。
ランドセルの汚れに洗剤を使っても大丈夫?
水拭きで落ちない汚れは、中性洗剤を薄めた布(洗面器の水に対して1滴が目安)を染み込ませて、軽い力で拭き取ってください。中性洗剤を使ったあとは、必ず固く絞った布で水拭きしましょう。
また、油性ペンなどによる汚れを落とすのは難しく、
- 布用クリーナーを使う
- ブラシなどで強くこすってしまう
といった方法でお手入れすると、ヒビ割れの原因となるので注意してください。
どうしても油性ペンなどの汚れが気になる方は、プロのクリーニング業者に依頼するのが一番です。詳しくは下記リンク先の記事をご覧ください。
ランドセルの傷は消すことができる?
クラリーノは小傷が目立ちにくい素材ですが、本革のように馴染むことはありません。
メンテナンスなどで小傷を消すことができないので、ランドセルカバーをつけるなどして対策しておきましょう。クラリーノ素材は、最初から傷を付けないように扱うのが一番です。
最近はおしゃれなランドセルカバーが数多く販売されていますが、サイズの不一致で新品のまま処分されるご家庭が増えているようです。ランドセルカバー購入の注意点は、詳し下記リンク先の記事をご覧ください。
ランドセルカバーのつけっぱなしは劣化の原因に!
ランドセルカバーを付けていると本体を小傷から守ってくれますが、カバーを掛けっぱなしで放置するのは絶対にNGです。ランドセルカバーには可塑剤(かそざい)が含まれているので、濡れた状態で長時間放置すると、
- カバーとランドセルが粘着してしまう
- カバーやランドセルの色が移ってしまう
- カビの原因になる
といった事が考えられます。
週に1日ほどランドセルカバーを外し、風通しの良い場所で保管するようにしましょう。いかに耐水性に優れたクラリーノ素材と言えど、過度な湿気や水分は天敵です。
メーカーに大きな傷の修復を依頼する場合は…
ランドセルカバーを貫通するレベルの傷を修理するには、2週間~1ヶ月ほどの期間が必要です。場合によっては「6年間保証」の対象外になるので、傷の状態や経緯などをメーカーに問い合わせてください。
》6年間保証まとめ!ランドセルが壊れたときの対処法&連絡先一覧
クラリーノ素材のランドセルを長くキレイに保つには日々のお手入れが大切
クラリーノ素材は「軽い」「丈夫」「水に強い」といった素材なので、日々のお手入れを怠らなければ6年間キレイな状態を維持できます。
お手入れ方法も、水や中性洗剤で軽く拭くだけなので手間も掛かりません。子供にもできる簡単な作業なので、ランドセルのメンテナスを通じて物を大切にする心を育んであげるのも良いですね。