ランドセルの平均価格は年々上昇傾向にあり、2010年には35,000円だったものが、2024年には60,000円と割高になっています。しかし市場を覗いてみると、3万円台の低価格ランドセルもあれば10万円を超える高級ランドセルもあるので、
「ランドセルはどれくらいの値段で購入すれば良いの?」
「高いランドセルと安いランドセルは何が違うの?」
と、お悩みの方も多いはず。
詳しくは後述しますが、高いランドセルは良い!安いランドセルは悪い!といった簡単な話ではありません。この記事では、ランドセルの値段や購入予算の決め方をご説明します。
この記事の目次
ランドセルの相場ってどのくらい?
日本鞄協会のランドセル工業会が実施したアンケートによると、2024年4月に入学した児童のランドセル購入価格は平均59,138円という結果がでています。
グラフには65,000円以上のランドセルを購入したという人が最多で、次いで55,000円~64,999円が多いようです。各メーカーの売れ筋ランドセルの価格を加味しても、ランドセルの購入予算は50,000円~70,000円ほど考えておくと良いでしょう。
ランドセルの値段が高くなってきているのはなぜ?
ランドセルの価格が年々高騰している理由は、上がり続ける消費税のこともありますが、そのほかにも以下の要因が絡んでいます。
オリジナル金具、豪華な刺繍や装飾などのデザイン料
刺繍・チャーム・鋲・留め具などにデザイン要素を取り入れると、それなりの費用が必要です。最近はデザイン性の高いランドセルが増えているので、そういった背景も価格高騰に影響しています。
少子化による祖父母の金銭的余裕
ランドセルの高騰に直接影響があるわけではありませんが、少子化もランドセルの価格に影響しています。少子化により孫1人にかけられる金額が増え、高いランドセルでも値段を気にせず購入するおじいちゃん、おばあちゃんが増えています。
新機能の搭載
最近のランドセルは、子どもの負担が減らせるように「可動式背カン」や「立ち上がり肩ベルト」など特殊なギミックがついています。この他にも「自動ロック錠」「反射材」などの機能が搭載されているので、それによる技術開発・生産コストがかかります。
素材の高騰
クラリーノなどの人工皮革は品種改良による開発費がかさみ、牛革などの天然素材は入手困難のため価格が上がっています。ランドセルのメイン素材が高騰しているため、本体価格も上昇傾向にあります。
》ランドセルの素材は何がいい?牛革、コードバン、クラリーノの違いとは
ランドセルの大型化による材料費の増加
昔のランドセルはA4用紙サイズでしたが、最近はA4フラットファイル対応サイズへと大型化が進んでいます。更にマチ幅を大きくしたり、サブポケットを伸ばしたり、ランドセルの厚みも増えてきました。
ランドセルが大きくなった分、素材や補強材などの費用が掛かります。
価格によるランドセルの違いとは?
ランドセルの販売価格をみると、安いものでは3万円台。高いものだと10万円以上と、かなりの差があります。価格帯ごとにランドセルの特徴をまとめました。
1万円台 | ネット通販のみで購入できる、無名のランドセルメーカーです。造りが雑で、壊れやすいものが多いため、慎重に購入を検討してください。(参照:中国製のやすいランドセルは危険?) |
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3万円~4万円 | イオンやニトリのようなプライベートブランドです。素材は人工皮革ですが、造りはしっかりしています。 |
5万円~6万円 | 一般的に、多くのご家庭で購入されている値段帯です。大手メーカーや工房系のランドセルが販売されており、デザイン・機能・メイン素材の選択肢が一気に広がります。(参照:メーカーと工房のどちらで買うべき?) |
7万円以上 | 素材・製法・デザイン・限定コラボ商品に設定される値段帯で、極めて品質の高いランドセルを購入できます。 |
新機能を搭載したランドセル
立ち上がり肩ベルト、可動式背カン、自動ロック錠、マチ幅12㎝以上の大容量モデル、伸びるサブポケット、コーナーガード、キューブ型など、搭載機能が多いほど価格が高騰します。
しかし、機能が多ければ多いほど良い!という訳ではないので、お子様に必要な機能が搭載されたランドセルを選んであげてください。
使われているメイン素材によって価格が変わる
ランドセルの素材には、人工皮革・牛革・コードバンが使われます。使われるメイン素材で本体価格が変わるので、ある程度の相場感を把握しておきましょう。
- 3万円~5万円台 … 人工皮革
- 6万円~8万円台 … 牛革
- 7万円~10万円以上 … コードバン
ただし7万円以上の人工皮革もあれば、6万円台で買えるコードバンもあるので、値段やメイン素材ではなくランドセルの本質を見極てください。
デザイン性が高いほど価格も上がる
刺繍やスワロフスキーが施されたランドセルは、値段が高くなる傾向にあります。
ただし、過度な装飾はランドセル本体の劣化を早める原因にもなるので、購入するメーカーの口コミなどをチェックしてください。装飾と耐久性の因果関係は、下記リンク先の記事で詳しく解説しています。
また、装飾のないシンプルなデザインでも、素材と製法に拘った「工房系ランドセル」は値段が高くなります。装飾・素材・製法などを踏まえて、その値段が適正なのかを考えてみましょう。
有名ブランドとのコラボはネームバリューで高くなる
ディズニー・任天堂などの有名キャラクターや、アディダス・プーマなどの人気スポーツメーカなどのコラボランドセルも販売されています。
ランドセル本体の価値が5万円ほどでも、それらとコラボすることで6万円~8万円に跳ね上がっているモデルもあります。お子様の好み、ランドセルの質、ランドセルの値段など、総合的なバランスを見てください。
価格より機能・背負心地・お子様の好みを優先したランドセル選びを!
ランドセルの平均相場は購入時の基準になるので、頭の片隅にでも入れておくと良いでしょう。使われるメイン素材、搭載されている機能、そのメーカーのブランド力によって変わるので、値段とバランスの良いランドセルを選んでください。
ランドセルの本質は鞄なので「背負いやすいこと」「丈夫であること」「保証内容が充実していること」も重要です。あとは展示会へ行って、お子様の好みを伺ってみると良いでしょう。
ランドセルの購入予算を決めるなら…
購入予算に1つの基準を設けるなら、人工皮革なら5~7万円。本革なら6万円以上は必要です。
しかし、今の御時世「ランドセルに5万円以上出すのはちょっと…」となるご家庭も多いはず。家計的に厳しい方には、全商品3万円台で購入できる澤田屋ランドセルをご覧ください。ランドセルの価格が年々値上がりしている中、澤田屋のランドセルは価格と品質をキープしている老舗メーカーです。
安さだけを追求するとニトリでも2万円台のランドセルを購入できますが、ニトリは口コミで賛否両論あるのであまりオススメできません。
ランドセルを購入するなら、最低でも3万円以上がボーダーラインとなりそうです。